ジゼルの内容は全然知らなかったが、なせかジゼルが有名な演目で、主役が黒いベストのようなコスチュームを着ていることは知っていた。子どもの頃に読んだ漫画のおかげだ。あの頃の少女漫画にはバレエがよく登場していた。バレエは少女の憧れ、夢の世界だった。今回は東京文化会館大ホールの前から数列目で鑑賞。オケは間近だし、ダンサーの表情までしっかり見える最高の席。ありがたや。まさに夢のよう。1幕が現実の世界、2幕が霊の世界。セットが豪華で美しい。2幕の白い精霊達の一糸乱れぬ群舞がゾクゾクするほど素晴らしい。主役のジゼルとアルブレヒト、前半は可憐で切なく、後半は幻想的で崇高。息をのむ美しさにうっとりだった。会場はほぼ満席。コロナも落ち着き、解禁になった「ブラボー」も連呼されていた。会場はやはり女性が多い。入口でもらったチラシはずっしり重い。日本のバレエ業界は盛況なのかしらん。美しさの裏にある長く地道な鍛錬の日々。その果てしない世界を生きる美しい娘や青年たちに感謝。命短いダンサーの世界、演じて消えるステージの宿命、まさにそれこそがアートの醍醐味。一瞬一瞬に生きる光が見る人の心で永遠の灯火になる。なあーむ。