柳楽優弥の語りが聞きたくてここ最近は見ている。彼の言う「みっくん」という響きがたまらなく好きだ。このドラマは、最初はそうでもなかったが、今は正座して見ている。お話が面白い。サスペンス要素もあり、子役のライオン含めた俳優陣の演技もいい。よく練られた作品だ。朝のカーネーションの再放送を見てから、これを見ていると尾野真千子がまた好きになる。桜井ユキの記者役も、でんでんの親父役も、向井理のDV夫も、それぞれのピースがかっちりはまっていて気持ちがいい。何よりこのドラマがひきこむのは、柳楽優弥演じる洸人とみっくん、ライオンの織りなす世界なのだろう。ぶつかり傷つき壊れかけながら、お互いを体当たりで理解していく感覚。家族の醍醐味とでもいうのかなあ。今は家族であっても遠慮して暮らして、遠慮が出来なくなったら別れてしまうから、傷つきながら邂逅するような人間関係はなかなか巡り会えない。誰も傷つけない世界はみんなが距離感を持って暮らすこと。これがわたしたちの出した答え。ぶつからないから、傷つかない。でも自分が壊れて変貌するチャンスも失う。ぶつかって戦って磨かれていく何かを手放している。そんなことを考えていると、後悔ばかりが浮かんできた。ああ、後悔することがあってよかった。わたしはポジティブ病である。