話題の映画を見に行く。ゾンビ話に飽きた頃から展開して後半はケラケラ。低予算映画だけど話題になるはずだ。「安い」「速い」「仕上がりソコソコ」の監督という設定が笑えてしまう。今、社会に求められているのは、まさにそれ。お手頃値段でそこそこ満足。イケアやユニクロ的なものが、ここかしこで要求されるのだ。食べ物、洋服、労働力、創作の現場だってそうなっている。ちょっとヒドイじゃないかと思う。でも我に返って考えてみると、自分もそういうものでいいと思っているひとりだし。私自身がお手頃値段でそこそこの人間でもある。もう笑うしかない。だからカメラを止めるな?人生のカメラはまわりっぱなし。人生の映画にも映り込まない部分が一杯あって、助けられたり、我慢したり、涙したり、陰口たたいたり。裏側は結構忙しくて面白い。見える世界、出来上がったモノだけがすべてではないこと、自分が一番よく知っている。求められている世界は、実は求めている世界であり、誰かを叩けば、自分が叩かれる。因果応報?それでもこういう映画を見てケラケラ笑って、人生のコースを走り抜けたい。そして私が倒れても、カメラはまわり続けるのだ。