ムロツヨシと戸田恵梨香のラブストーリー。大石静先生の脚本だ。若年性認知症にかかった主人公と彼女を愛する男性のお話。もうそれだけで涙が出てくるベタなお話なのだが、なかなか毎回良いのである。主役の戸田恵梨香がまずかわいくて切ない。相手役のムロツヨシが回を追うごとにかっこよくなって、これがまたたまらない。戸田恵梨香の元婚約者で主治医が松岡昌宏。ぐぐっと感情を抑えたクールな役柄、ちょっと美しすぎる顔がここは効果的。条件抜群の松岡と別れてムロツヨシと「大恋愛」なのだ。何もかも忘れていく彼女をめげずに愛し続けるという崇高な役。それがムロツヨシ。彼をキャスティングしたことがこの番組の勝因。戸田恵梨香がムロツヨシを愛するからいいのだ。スペックの高い男性をふり、普通の男性を愛する醍醐味に女は弱い。長期戦の結婚だとこの醍醐味にハマった自分をあとで後悔することになるが、三年位の恋愛ならこの醍醐味は有効だ。つまり結婚には恋愛の賞味期限内に次の醍醐味が得られるかどうかが重要なのだ。さすが百戦錬磨の大石静先生。いろいろ分かってらっしゃる。健やかなるときも病めるときも愛しつづけるのは簡単ではないね。