こだま「夫のちんぽが入らない」講談社文庫

話題の本が文庫本になっていた。予想していた話と全然違った。タイトルが衝撃的だったからその真相が知りたくて読み出した。真相はわからぬまま、違う話が展開。タイトルにダマされたとも思ったが、それはそれで面白い話でもあった。「ちんぽが入らない」なんてことが本当にあるのかなあと今でも思う。でもそうなんだとも思う。小さい頃から言いたいことも言えない小心の「私」は、人づきあいが苦手なまま、旦那さんと出会い、教師になり、結婚する。辛い経験を経て、早々に閉経を迎え、やっと「平和」を得ていく。いつまでも若くいたいと思う女性ばかりではない。「女」という荷物を下ろしてホッとする人もいる。性は厄介だ。意思とは関係ないところで人を動かす力がある。だからこそ生きものは繁殖出来るのかもしれない。性は命の真髄。神の領域の話かも。