NHK「心の傷が癒やすということ」

全四話のドラマで昨日終わった。柄本佑在日韓国人精神科医師、安先生を演じる。阪神大震災から25年。話は当時震災で心に深い傷を負った人々をなんとかしたいと必死で取り組んだ医師のドラマだった。最終回で癌におかされた安先生が言う。「心の傷を治すには、ひとりぼっちにさせないこと」と。なるほどなぁと思った。災害だけではないが、大切なひとを失う悲しみは想像以上に深い。隙があれば、自分を責めたり、自らをかえりみなくなったり、マイナス方向に進みやすい。そんなときに救ってくれるのは、そばで心配してくれる他人の存在。正しい。それにしても、柄本佑が見事に安先生になので、涙が出た。奥さん役の尾野真千子が病室で泣くシーン。背中を優しく叩きながら、「ここで泣いたらええ、家では泣けへんから」と言う。自分が尾野真千子になって一緒に泣いてしまった。生きている限り悲しみは尽きない。だから寄り添って生きていかねばならない、人は本当に簡単に壊れる。簡単なことをすぐ忘れてしまうが、人はひとりでは生きていけないのだ。