NHK夜ドラ「あなたのブツここにあります」

久しぶりの夜ドラヒット。先週は危うく泣きそうになった。大阪のキャバクラで働いていたシングルマザーのお姉さんがコロナで騙され困窮して宅配業界で働くお話。コロナを扱ったドラマはそう多くはないが、その中でもかなりの秀作だと思う。主演の仁村紗和ちゃん。初めて見た子だけど、飯島直子的なヤンキー感があってなかなかいい。子役の毎田暖乃ちゃんは今回もめちゃくちゃ上手い。お母さんのキムラ緑子さんは言うまでもなく完璧。この3人に癖のある脇役陣が絡んで全体的にボップな仕上がりで、そこがまたいいのだ。お茶目な部分と深刻な部分のシンクロ具合が深みとなって、切なさを倍増させている。コロナでいろんなことが変わってしまった。嘆いていても事態は元に戻らない。弱い立場の人は置いてきぼりにされたし。政府も社会も冷たいし。余裕は全くなくなった。止まったら負けやねん。みんなそんな思いで毎日を過ごしている。弱いけど続けなあかん、止めたらもう立ち上がれんような気がするからか。ブルーハーツ並の怒りと情熱が足りない。私たちは、声をあげて泣き叫ばねば。でないと黙ってマグマを溜めるばかりだ。テロとは、こういう絶望の淵から生まれるものだと思う。