アンネの日記 The Diary of Anne Frank (1959米)

イスラエルハマスの戦いが続いている。パレスチナへの同情的なムードが多い中、イスラエル側の人が言っていた言葉を思い出した。「過去のユダヤ人のことは皆知っているが、今のユダヤ人には誰も関心がない。」と。私の中のユダヤ人もアンネの日記からあまり更新されていない。そんな中、なぜか録画されていた「アンネの日記」を見た。いつ見つかるかもしれないと怯えながら暮らすアンナ(本当はアン?アンネはローマ字読み?)達を見て、一緒に怯えた2時間半だった。若くして亡くなった主人公アンナを思うと無駄に長生きしている自分が申し訳ない気分にさえなる。そんな謙虚なことを考えたりもする一方、あっと言う間に忘れて、他人の痛みに鈍感で無関心な人になる。そういえば、子どもの頃に読んだアンネの日記には、アンナが日記の中に作った心の友キティがいたはずだが、映画では出てこなかった。真似して日記の中に友達を作ったことを何十年ぶりかに思い出した。映画のエキセントリックなアンナは私のイメージとは違った。私が年老いたせいかもしれないし、そもそも記憶が曖昧なのかもしれない。今も戦いは続いている。戦いの火種は至るところにあり、いつでも火がつきそうだ。大事なことは、絶望し過ぎないこと。どんな悲惨な時でもなんとか生きていくこと、そうアンネの日記が伝えていた気がする。