エヴォリューションEvolution (2015)

今年はたくさん映画を見よう。そう思わないと、映画も見なくなった。好きなことをするのにもエネルギーがいるようになった。悲しい。でも好きな映画も見ないで無為に日々を送ってしまう方がもっと悲しい気がした。「映画くらい見よう」そう思って、年明け早々の渋谷アップリンク。ちょうどやっていたのがこの映画「エヴォリューション」。勝手にバイオハザードのような映画だと想像していたが全然違った。「どんな映画にも素敵なシーンが必ずある」と、昔、淀川長治さんが言っていたような気がする。駄目な映画にもいいなと思えるところ、救いがあるものだと。この映画の救いは映像がキレイなところ。時代も場所も全部が曖昧で、なんとなく暖かい海がある場所、地中海沿岸かな、それが映像からにじみ出ていた。女性と青年しかいない島のお話は、気持ちの良い話ではなかったが、ちょっと生暖かい映像が気味悪さを倍増させていた。監督がモロッコの女性だからかもしれない。しかし「よし!」と気合いを入れて新年早々見にきたが、はずれだった。そんなこともあるさ。がっかりするなよ。そう自分に言いきかせた。

マレーネmalene 俳優座劇場

友人に誘われて六本木の俳優座劇場に「マレーネ」というお芝居を見に行った。あのマレーネ・ディートリッヒのお話だ。主演は旺なつき。美しい声に歯切れのよいセリフ回し、上品な身のこなしと。さすが宝塚出身。最後はマレーネそのものになって歌う。シルバーのスパンコールのドレスに白いガウン。光に映えて本当に美しい。歌も色っぽくて素敵だった。祖国ドイツを離れてアメリカで生きるマレーネ。強くて弱くて、美しくて醜悪。女性も若さを失った頃から「命の玉」のようなものが輝き始める。どれだけ傷つき、もがいたかで、玉は磨かれ、若さとは違う輝きを放ちだす。マレーネもそうだが、演じた旺なつきさんにも、そんな輝きがあった気がする。かっこいい。

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう

20年前の月9は高層ビルが立ち並ぶ街のオフィスで働くおしゃれな男女のお話だったが、今の主人公は介護施設の職員と引っ越しやさん。日本は随分変わったと誰かが言っていた。本当だ。毎回見るたびに暗くなるようなエピソードが一杯で胸が詰まる。坂元裕二脚本で、彼特有のかぶせるようなセリフ回しに、これまた追いつめられる。この先にどんな光が見えるのだろうと思いながら見ているが、毎回、心が痛くなって終わる。手嶌葵の歌も、薄幸な感じで、登場人物たちの切なさにぴったりだ。それにしても高良健吾君は華奢なせいか貧乏薄幸青年も良く似合う。「花燃ゆ」の高杉晋作よりずっといい。本当は彼には悪い人を演じてほしいが。今の日本の月9は、そんなただのエンターテイメントじゃ駄目なんだろう。来週は拡大版だとか、15分も増えたらどのくらい心が折れるのだろうか。そう思うともう止めようかと思う。

五明(ごみょ) 千歳船橋

偶然入ったお店がいいと嬉しい。駅から歩いて2分かな。間口の狭い入口から、カウンターに座る。友人を待つ間、琥珀エビスに白エビの素揚げ。ごま油の香りが高い。日本酒の揃え方もいい。お刺身はメジマグロのあぶりとゴマまぶし。アナゴの白焼き、湯豆腐。どれも美味しい。やや濃い顔の大将が、最初一人で来た私に「おひとり様用に少なめにもできますから」と言ってくれる。ふふふ。今日はもう一人来るのよ。気を遣わせてすみません。お店のお兄さんたちも初々しくて良かったわ。最後は湯豆腐の鍋にご飯を入れて卵雑炊。大変美味しゅうございました。お店が良かったからか、3年ぶりに飲んだ友人とも楽しく飲めた。ありがとう。

ソング・フォー・イェテボリ Shed No Tears/ Kann Ingen song( Sweden 2013)

渋谷ユーロスペースで開催中の北欧映画祭に行ってきた。毎年2月のお楽しみだ。見たのはスウェーデンの音楽映画。大好きな音楽で身を立てたいと願う青年ポールは、人前で演奏するとパニックに陥ってしまうという難儀なヒト。ポールの幼馴染のジョニーは金まわりの良い遊び人風だけど、ポールをこよなく大切にする親友。もう一人の幼馴染のレナは女子のキックボクサー。レナはポールを愛している。でもポールは魔性のエヴァにハマってしまう・・・。それにしてもポールのおじいさんが良いことをいうのだ。「年を取ると情熱を求める。情熱があるうちはそれを大切に使え」と。胸に染みた。映像の切り方が斬新。トラムに乗ろうと追いかけているうちに、トラムの中から外を見る映像に乗り替わったり。ポールの部屋の壁から水滴が浮かびあがり、それが透明の音符になって音楽になったり。映像斬新。テンポもストーリーも映像も全部いい。音楽は当然いい。久しぶりに絶賛の映画。

FACTORY 市ヶ谷

市ヶ谷のパン屋さんは今日も外まで並んでいた。ランチ時には少し早い11時過ぎだが、人気店だから仕方ない。シナモンロールとチョコレートラスティックとビスケットを購入。どれも美味しかった。シナモンロールは上が砂糖でコーティングしてあったが、ビニール袋にひっついていて残念。中で食べればよかったね。友人に教えて貰ったパン屋さん、お隣にはチリビーンズのお店もある。どちらも素材にこだわったイマドキのおしゃれなお店だ。安全で美味しいモノを食べたい~。っていう素敵な女子や男性に大人気だ。女性同士でこういうお店に来るのは好きだが、こういう店に男性を連れていくのも、男性に連れてきてもらうのも、好きではない。でも店内は男性客もたくさんいる。男女差別はいけないね。でもなんか違うじゃないの~?って思ってしまう。

ダウントン・アビー4 Downton abbey

NHK総合の日曜夜11時からの海外ドラマ。現在のはシーズン4。2年前から放送が始まって以来楽しみに見ている。イギリス物はシャーロックやポアロなどのミステリー以外は面白いと思ったことがなかったが、これはなかなか面白い。貴族の3人姉妹が突然2人になったか思うと、主役級の相続人マシューも事故死。意地悪なオブライエンさんも突然インドへ行くし。前回どん底まで落ちて反省したはずのトーマスがまた意地悪を再開。とにかくストーリー展開が早くて飽きさせない。実際のお城をつかった豪華な英国貴族の生活自体も興味深い。貴族は何回も着替えるので女性陣の衣装も見ていても楽しい。しかし唯一ひっかかるのは従者ベイツ。イギリスではあのての顔が人気があるのだろうか?かわいい侍女アンナが恋焦がれるという設定だが、どうもそんなタイプには思えない。春からはシーズン5の放送も決定らしい。ベイツの魅力がそろそろ私にも分かるのだろうか。とりあえず「ダウントン・アビー」ブームはまだまだ続きそうだ。