過去の朝ドラの再放送が4月から平日夕方に始まった。「カーネーション」は2011年後半大阪制作。私の大好きな朝ドラのひとつ。尾野真千子の出世作で当たり役。おそらくほぼ99%見たはず。あらためて見るとあらたな発見もあり「半分青い」より面白い。母親役の麻生祐未、父親の小林薫、おばあちゃんの正司照枝。素晴らしい。先日は小さい頃からのライバル奈津の栗山千明が髪結いの勘助の母濱田マリのところで泣くシーン。強がりの奈津が髪結いの濱田マリにだけ心を許しポロポロ涙を流し、それを静かに受け止める濱田マリの抑えた演技。こんな神回があったなんてすっから忘れていた。女性が控え目に生きるのが当たり前の時代。岸和田生まれの主人公糸子が、だんじりのように豪快に疾走する。進むほどに壁に当たり、父親にたたかれ泣かされる。悔し涙を何度も流しながらもひたむきに前に突き進む。胸が一杯になる。洋花の癖になかなか萎れないカーネーション。花の命は短いし、踏みつけられて、折れることも多いけど。美しい花は穏やかなプランターから生まれるわけではない。強い心に咲く花の美しさ。戦ったものだけが手にする宝石のようなもの。まだまだ戦いをやめるわけにはいかない。