「バクラウ 地図から消された村」(ブラジル・フランス 2019)

友人に誘われて見た。どんな映画だろうと、前日に検索したら、西部劇でスリラーとあった。全くイメージが出来ないまま映画館へ。ブラジルの片田舎のバクラウという村が消されそうになるのを、住民が阻止するというお話。想像以上に面白かった。西部劇というのも頷けるし、スリラーと言えば確かにスリリング度も高い。小さなコミュニティが自ら武装して戦う姿を見て、これからは政府に期待せず自主自衛自助だなあと思った。町のコミュニティは壊れているし、家族も崩壊、もしくは最初から存在しない現代。その上、お上はやりたい放題。ブラジルのことを笑ってはいけない。我が国ももう完全な機能不全。マジやばい。とはいえ、個人では大したことは出来ないと、なぜか最初から思っている私は従順な怠け者。必要なのは皆の声が聞こえる位小さくて、でも個々が戦う気満々の強い共同体。新しいコミュニティといえば、「にじいろカルテ」的な世界を思い出してしまうが、あれはあれでちょっと気持ち悪い。映画バカラウの村には、にじいろカルテの何倍ものリアリティがあるし。あそこには生命の原風景的な強さがある。私たちも戦う時が来ているのかもしれない。自分の船のオールを預けるな、って長瀬も昔歌ってたし。ぼんやりしていると、ワクチンの順番待ちの間に死んでしまうかも。さあ立ち上がれ。自分の生命は自分達で守れ。映画バカラウはそう訴えている。これは今見るべき映画だと思う。