NHKドラマ10「プリズム」

杉咲花ちゃんがうまいのでまた唸ってしまった。毎度違うタイプの役柄を巧みに演じている。今回はちょっと暗い女の子。中学の時に両親が離婚しているモラトリアムな女子。父の吉田栄作は実はゲイで今は東京で男性と暮らしている。母の若村真由美は、娘に過干渉で、長野に帰って来いとうるさい。ややこしい背景で育ったナイーブな娘がひょんなことから、造園会社の藤原季節君と付き合い始める。そこに彼の元カレの森山未來が登場してドラマは動き出す。森山未來が予想外にかっこよくて惚れ直す。藤原季節君の硬質な感じも新鮮。オシャレなムードのドラマだけど、どこか底暗いのがクセになる。ドラマのように世の中も不穏な空気が流れていてなんだか落ち着かない。脚本家はそんなただならない空気をドラマの登場人物に託すのだろう。ずっと順風満帆だったわけではないが、もやもやとした不安が消えない。いつからか私達は見えない何かに怯えるようになったのだろうか。怯えを越えるものは何だろう。正しく怯え、考えることなのかなあ。誰がに頼らず。ただひとりで最善の道を考えよう。