東京駅の美術館で宮脇綾子生誕120年の展覧会を見てきた。ちょうどNHKの日曜美術館でも紹介された直後とあって会場は年配の女性たちで溢れかえっていた。作品はアップリケ。布を切って貼り付けてある。どれもこれも素晴らしく洗練されていた。描く対象はネギやスルメイカだったりする。構図が見事に決まっていて、大胆な色彩感覚、予想を裏切る生地選び、出来そうで絶対に出来なさそうな作品ばかりなのだ。スケッチが美しかった。スケッチだけでも十分作品になる。色紙日記を見て、字も美しいことも分かる。宮脇さんは凄い人なのだよ。対象をよく観察して、構図、布を決め、ひとつひとつ針で押さえる。細やかな作業の連続を作者は楽しんでいたのだろうと感じた。野菜の断面や、刺し身を取ったあとの魚の骨を美しいと感じる心が並外れている。明治大正昭和を生きた女性の慎ましやかだが、しっかりと大地に根ざす強さも感じた。最後の方の作品は北欧のデザインを見ているようで、終始宮脇さんのセンスに心奪われた。うちにあるハギレも捨てずに置いておこう。きっといつか使うかも。断捨離流行りだけど、ときめきはあとから来ることもあるしね。