ちょっと裸が見たくて、上野の世界遺産、国立西洋美術館まで来た。お父さんと息子が同じ名前で画家をしているので、絵には父と書いてあったりする。どっちがどっちかよく分からないまま会場を進む。裸の絵は会場の下の方に配置されていた。最初からは見せない所存らしい。徐々に盛り上がってくると、媚びた少女にベロベロになっているオジサンの絵があった。若い娘にいいように操られて喜んでいる初老の男たち、操られる喜びだ。でもなんでこれを絵にしたのだろう。などと思いつつ、お目当ての裸の絵へ進む。裸の女は、細身だけど下半身はどっしり。妖しい眼差し。恍惚の表情。大きな剣を持って、首にはきらびやかな宝飾をまとっているのに体は裸。いやはや。クラーナハは完璧な写実もできたはずだが、あえて体のバランスを崩して描いている。成熟した女性の体と子どもの体が同居している。エロい。絵は思った以上に小さかった。寝室などに飾ったのだろう。クラーナハは絵もうまいが、商売も上手だったという。やりてだね。