日本TV「悪女(わる)」

昔のドラマのリメイクだと最初は気がつかなかった。田中マリリンという主人公の名前と石田ひかりの登場回で記憶か一気に呼び戻された。前作はバブル景気の日本。今作は令和の閉塞感半端ない日本の一流企業が舞台。ちょっと変わった新入社員マリリンが騒動をおこしながら出世していくサクセスストーリー。前作も面白かった記憶がある。今作の田中マリリンは今田美桜。彼女を支える峰岸さんが江口のりこ。令和の旬である。今田美桜ちゃんは予想を反してこの役にハマっている。かわいいのに、かわいい子が変な役をしている風にならないのがいい。江口のりこはいわずもがな。前作が男女雇用機会均等法の頃だったが、今作はそもそも男女とか言わない時代に突入している。時代の変化を上手く取り入れ、今のお仕事ドラマとしてなかなか楽しく見られる。時代は移りゆき、バブル世代もそれなりに対応してゆかねばなりません。当時の恩恵が少なかったのが幸いし、自分の若い頃が良かったとは思わず済んでいる。キャリアは築けなかったが、仕事はいつもそばにあった。自分らしさを特に表現することもなく、生きづらさもほどほどで、大きく病むこともなく現在に至る。これを恵まれていると感謝して過ごせば、災厄は訪れないとどこか信じている。今日も1日が過ぎていく。やがて賃金労働ともさよならするその日まで私はこのまま行くのだろう。