東京バレエ団 マカロワ版「ラ・バヤデール」東京文化会館

14日の公演は団体の学生さんが下の階で、一般客は3階から、私は正面からだった。ラ・バヤデールはインドのお話らしく。エキゾチックな衣装でとても素敵だった。ストーリーは愛憎泥沼劇で早い展開で飽きさせないが、やや複雑なので事前に理解しておく方がいい。主役のニキヤは最初は可憐で天真爛漫なのだが、やがて嫉妬、悲しみ、怒りを経て、最後には幻覚の世界で神がった美しさへと変化を重ねる。二十名ほどの一糸乱れね群舞も美しく、見とれているうちに場面が展開していく。ニキヤが愛した、戦士ソロルは最後は薬に溺れ、情けないのだが、だいたいの人間はソロルなのである。目先の欲にかられて、大事なものは見失うし、天罰も下る。しかしそんな教訓めいた話はどうでもいい、ただただニキヤに自分を投影し、目の前の美しい踊りに耽たるのがバレエだ。観客の多くは女性。学生の団体客もほぼ女子だった。女の人は好きだよね。バレエ。つべこべ言わず理解するのが得意なのかもしれない。美しい世界を堪能しなが、バレエの故郷でもあるロシアのこと、ウクライナのことに思いを巡らせる。両国のバレエもきっと素晴らしいに違いない。いつか見たいし。それが早いといいなと思う。