大竹英洋写真展「アラスカ 星野道夫の足跡を辿って」Cannonオープンギャラリー

友人からの案内葉書を片手に品川のCannonオープンギャラリーへ見に行った。休日の午後だが、会場の写真展は静かだった。撮影OKなので、大きいカメラで撮影している人もいた。シャッター音が響くほど静かで写真を見るには最適だ。こじんまりしたスペースでの展示だが、写真の密度は高い。極北の厳しくも美しい自然。伝説になった星野道夫の足跡を辿る写真。カリブーなどの動物の写真。大竹さんは昔から知っているが、すっかり脂の乗った写真家になったなあと感じ入った。若い時の繊細でみずみずしい写真に堅固な確信のようなものが加わって、説得力のある写真が並んでいた。星野道夫さんは若くして亡くなられたが、大竹さんには是非長生きして長く写真を撮ってもらいたい。夭折の芸術家の持つ「きらめき」も好きだが、長寿で凄味を増すアーティストもいい。自分が年齢を増してきたせいか、後者の方に心打たれやすくなってきた。我が身は取るに足りない存在だし、またそれ故に、生きていくには目標やら先導者が欲しいのである。アートにはそんな役割もある。