カリートの道Carlito's way(1993米)

アル・パチーノブライアン・デ・パルマ監督の映画。麻薬組織ギャングだったアル・パチーノ演じるカリートが小賢しい弁護士のおかげで長い懲役刑から免れ自由になる。もう悪事には手を染めずサッサと引退してレンタカー屋をして余生を楽しもう。そう思っていたにも関わらず、というお話。1度染まった悪の匂いは別の悪を呼び込み、本人の意思とは関係なく悪を深めていく。悪には1度も染まらないのが肝心で、1度でも染まった者はやはり真っ当な人間にはなれないと語っていた気がした。何度でもやり直しが出来る社会というのは、なかなか存在しないのかもしれない。 西川美和監督の「素晴らしき人生」の役所広司もそうだった。この映画、監督ブライアン・デ・パルマらしい映像美は随所に見られたが、お話はあまり深まらなかった。感覚的で、もうちょい何か欲しいと思ってしまう映画だった。腹八分目でいいのかもしれないし、別の人が見たらちょうどいいと思うかもしれない。ただ私には物足りない。そういうことはよくある。