中国歴史の旅(上・下)陳舜臣 集英社文庫(1997年)

中国語を勉強しているし、好きな陳舜臣さんの本なので読んでみた。1997年の文庫なので、中国の姿は今とはかなり違うが仕方ない。読み始めてすぐ、陳舜臣さんの語り口が心地よくて嬉しくなった。上巻は北京から西域へ、下巻は上海から桂林へ。各地の名所をその場所にまつわる歴史エピソードと一緒に紹介している。本の古さはすぐに忘れ、中国への旅情ばかりがかきたてられた。以前、陳舜臣さんの「中国の歴史」の第2巻まで読んだので、「漢」までの話はぼんやりとわかる。そのおかげで、この本も少しは身近に感じることができた。こんな年でも知識は少しは堆積してくれるようだ。ありがたい。そろそろ海外への旅だが、まだ動き出せない。中国への旅はもう少し年齢が上がっても行けそうだと思ってしまう。一体私は何歳まで生きるつもりなのだ。今すぐ死んでもいいと思っているくせに漠然と将来の設計をたてたり。どうも私は死ぬ気はないらしい。残り時間が分かれば生きやすいのにね。そう都合よくはいかないか。とりあえず、今目の前にある時間に夢中でいられればいいのだが。