テレ朝「星降る夜」

テレ朝には珍しく面白いドラマ。火曜日の夜は忙しい。吉高を見たあと、ドラマ10の「大奥」を見ないといけない。このシーズンはこのふたつがお気に入り。あとは「罠の戦争」と、「100万回」くらいかな。「星降る夜」は、初回ではピンとこなかったのだが、脚本が大石静さんだからと、迷いなく見続けた。前シーズンに好評だった「Silent」以来、ここのところ、手話が出てくるドラマが多い。アカデミー賞をとった映画「Coda」のせいなのか。はたまた流行りにのっただけなのかは分からないが、ドラマが世間を映す鏡なのは変わらない。大石静さんの話は若い頃はエグすぎたが、今はすっかり丸みと深みが増して絶妙である。吉高由里子も、北村匠や光石研さんもみんな好きなので、もうどうしようもない。毎回、心の端をきゅっと掴むような話にじんとしている。主役の雪宮鈴の同僚役に登場しているディーン・フジオカが面白い。五代友厚以来、最も成功しているキャスティングだと思う。彼が持つフェイク感が今回ははまっている。よかったね、ディーン。イケメンし、お利口だし、彼を生かせるドラマがやっと出てきたと感動した。ムロツヨシも前回あたりから登場して、異彩を放っている。本人も楽しそうに狂気の善人を演じているね。テレビドラマを愛する淋しい女性たちは、10歳年下の彼氏を持つ30代半ばの女性の華やいだ気持ちや憂鬱な思いに心を寄せながら、どうしようもない日常を生きている。ああ、胸にしみいる火曜日の夜。