陳舜臣「中国の歴史(二)」講談社文庫(初版1990年)

2冊目を 読み終えた。1冊目に劣らず面白い。これなら7冊いけそうだが、残念ながら手元には2冊しかない。2冊目は戦国時代から前漢の終わりまで。戦国時代から秦の始皇帝項羽と劉邦前漢武帝が死んで大体終わる。単純に時系列で進まないので、老荘思想やら、封禅やら、テーマによっては時代が前後する。それがこの本の魅力で、すでに述べられた人物がまた登場してくるので、忘却の人には助かる。なんせ登場人物が多すぎる。そのうえ漢字も複雑、国も多すぎる。だが、それでも面白いのだから素晴らしい。コロナ禍が起こる前に行った上海が今のところ最後の海外旅行だ。初めて行った中国本土は思いのほか楽しかった。「中国怖い」から「中国楽しい」になってすぐコロナ。もっと知識を蓄えてから行けという神の思し召しなのか。前漢までの中国は、策略や陰謀が渦巻き、かなりの恐ろしい。権力者が平気で人を、それも大量に、次々殺す。幼い子供も家族も容赦なく、殺し方も残酷きわまりない。ちょうど、香港の問題をテレビで見たばかりもあり、恐ろしさは倍増。やっぱり中国は恐ろしいのか?!2500年前と比べて人間は少しはましな社会を作っているのだと思うが、それでも悲しみは減らず、愚かしいことは繰り返されている。私たちが嘆き戦ったとしても、歴史の砂嵐にまた埋もれるのだろう。だとしても、何もしないと決め込むのも寂しい。生きることは、もがくこと?私の場合、あと少しだし、もがいてから死んでも別に悪くない。