TBS「あなたのことはそれほど」

波瑠は朝ドラ「あさがきた」から、「世界で一番難しい恋」「お母さん、娘をやめていいですか」と話題作に出演。ノリノリである。ちょっと前まで清涼感のある朝ドラの主人公だったのに、今では秘密の逢瀬を重ねる不倫人妻をスイスイ演じている。「お母さん、娘をやめていいですか」では、母親にコントロールされる気の弱い娘もなぜかしっくり来ていた。変幻自在だなあ。今回も他の役者さんがやったら嫌われそうな役だが、実際、勘違いして波瑠を嫌いになってしまった人もいるそうだが、ふしぎと役柄に説得力がある。そんな波瑠の相手役、あやうい夫役の東出昌大も面白い。これまでなにをやっても「ごちそうさん」だった東出君も新境地かもしれない。不倫相手の奥様役は仲里依紗。NHKの「逃げる女」の狂気の女もかっこよかった。今回も体温低そうでちょっと屈折した主婦を好演。登場人物全員のダークサイドが少しずつみえてきて、だんだん危険度も上がってきて面白くなってきた。しかしとはいえ、不倫もの、嫌いな人は嫌いらしい。波瑠演じる美都は、普通のキレイなお姉さん。そんな普通のお姉さんが罪悪感も持たずに不倫にはまっていく。意外にイケイケのお姉さんより、ちょっとコンサバ系の女の子の方が大胆だったりする。「だって一番好きな人、運命の人じゃないんだもん・・・」ってことで、すべてが彼女の中では肯定されていく。「愛は勝つ~」のだ。運命の人といえば、日テレ「ボク、運命の人です」。巷は「運命の人」を求めているのかしらん。実際、運命の人と結婚して幸せだと実感できる人がどのくらいいるのだろう。運命の人だと思って結婚したが、結婚したら「運命の人」じゃなくなっちゃったりするのが普通かもしれない。運命の人はアーカイブスに入れて、「それほどじゃない『あなた』」と結婚するのがやはり一番なのかなぁ。