NHKよるドラ「恋せぬふたり」

岸井ゆきのが良い。高橋一生が出ているから見始めたが、今はふたりに引き込まれている。恋愛やエロスを感じない人たち、感じたくない人たちのお話で、恋はしなくても寄り添いあって、幸せに生きてもいいのではないのかと問いかけるドラマ。見ていると、いつの間にかそっち側に行っていて、恋愛ってそんなに?って気持ちにまでなる。ある程度の年齢を過ぎると恋愛とも距離が出来る。自然と恋愛至上主義ではなくなるのだが、若者は恋愛して当たり前と私も含めて多くの人は思っている。でも考えれば、恋愛は少し前までは必修科目ではなかった。昭和の高度経済成長期くらいまでは、恋愛結婚も少なく、お見合いなどでほとんどが結婚して家族を形成していた。そこから半世紀。自由に恋愛、結婚が当たり前になり、恋愛が必須になった。だが以前より幸せな関係が築けているかと問えば、そうでもない。愛という御旗の元で歓喜する時間は思いのほか短く、あとは宴の終わったテーブルを延々と片付けている人も多い。ドラマのように、恋愛もセックスもなく幸せに暮らしたいという若者がいても当然だし、生涯恋して暮らすもいい、阿佐ヶ谷姉妹みたいに暮らすのもありだ。一緒に暮らす形態にもっとバラエティがあってもいいはずだ。今、答えは無数にあって、正解は自分が決めればいい。各々が選び、その選択を皆が尊重することが、今、求められている大人の対応らしい。でも選択できる幸せはある程度までで、選択肢が多いのも疲れる。何事もいいあんばいが、なかなか難しい。