「怪物」(2023)

是枝裕和監督に坂元裕二脚本、坂本龍一音楽の映画。苦手な安藤さくらも出ているし、大御所感が凄い田中裕子も怖いし。出てくる役者さんが一時の巨人の打線のようで、ちょっとひいた。作品はシングルマザーの安藤さくらの息子が学校で怪我をして帰って来ることから始まる。瑛太がその子の担任で、校長先生が田中裕子。見方変わると見えてくる事実も変わってくるという仕掛け。いつもの是枝監督の作品より見やすくて、いつもの坂元裕二より言葉が少なくて、面白かった。加害者と被害者は二項対立ではない。ひとりの人間が加害者でもあり被害者でもあるわけか。あまり有名でない役者さんが演じていればもっと素直に楽しめたかな。世界の是枝裕和監督だから仕方ない。出てくる少年たちのひたむきさは愛おしいのだけど、子どもの無鉄砲な破壊力が自分は苦手だ。自らの子どもを持てばそれも克服できたかもだが、それももう叶わぬ願い。異次元の少子化対策Jリーグ観戦の我が国。誰にももう止められないのだろうか。この世界。