コッホ先生と僕らの革命(2011年独)

ドイツ映画。第一次大戦前の古臭い体質の学校が舞台。イケメンの英語教師コッホ先生がサッカーを通じてガチガチに躾けられていた子どもたちを解放、成長させていく話。コッホ先生はドイツにサッカーを紹介した人らしく、「サッカーの父」とも言われているらしい。そのコッホ先生が魅力的で、卑屈だった子どもたちがサッカーを通じてみるみる変化していくのは痛快。革工場の太っちょの少年が特にいい味を出していた。全体的によくある話だが、幸せな気持ちになる映画である。古い体制を壊して自由を手に入れると、今度はその本人が古い体制になっていくことがある。校舎の窓を割ってバイクを乗り回していた人は、早々に保守化するし、そもそも良家の子女が暴れていたりする。持たざる者の怒りの声は、本当は違う誰かから発せられる。そんな皮肉なことが巷に溢れている。なんだかやる気を失うような流れが私たちを取り囲む。では、どうするべきなのだろうか。答えは簡単に出ない。ただ強くなるしかないのかなあ。それが最適解のような気がしてくる。強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない。誰かの言葉が聞こえてきた。