日本TV 水曜ドラマ「コタツがない家」

好きなドラマは重なる。「パリピ孔明」の裏の小池栄子ホームドラマである。夫が吉岡秀隆で、父が小林薫。セリフ回しといい、展開といい、毎回楽しい。子どもの頃、家族揃って家でテレビを見ていたのを思い出す。お話は今どきの首都圏のよくある家庭が舞台で、働かない夫と、熟年離婚した父親と、言うことを聞かない高校生の息子に小池栄子が怒ったり笑ったり、しんみりしたりする、出て来る男たちが皆ダメダメで、そうそう、あ~あ~と、小池栄子側の人間は、いちいちうなづいてしまう。深刻さはなく、ああ愛すべき男たちといった軽みも絶妙。語り、挿入されるアニメ、主題歌の石川さゆり、諸々趣向を凝らした高品質ドラマ。私たちは大きな幸せを求めているわけではない。手のひら一杯くらいのものを探している。阪神オリックスのパレードで道路を埋め尽くす人たちを見て、つくづくそう思う。ヨーロッパの大都市は反イスラエルのデモなどで道を埋め尽くしているのにだ。普通に暮らしている人たちの目線がだいたい正しいと思う。私たちはちゃんと分かっているのだ、いろいろと。