星新一「宇宙の声」角川文庫(昭和51年初版)

星新一を連続して読んでいる。この本は昭和44年に単行本で発表されたものの文庫版である。少年少女が日常からいきなり宇宙へと飛び出し冒険する話。今から50年前の作品だが、古びた印象はなく、唐突だが自然に宇宙話へと展開するあたり見事だと思う。今でも人気のあるのは当然だろう。昔からSFが嫌いだった。読解力が足らず、つまらないところが気にかかり、先に進めなかった。読解力は今もないが、今は平気で読める。年齢が上がると、色々最後かもしれないと思うからだろうか。晩年は鈍感に貪欲に。何でも読んで何でも忘れていく。宇宙の話も、とんでもない話も、今の世の中ではさもありなん。こんな疫病が21世紀の世界を席巻するとも思っていなかったし、こんなダメダメ政府に翻弄されるようになるとも思っていなかったし。耐性は大切。何事もモノは考えよう。ライフイズビューティフル。悲観しても良くなるわけじゃないのだし。風通しよくいたいもの。変化を恐れず、時代を経ても変わらぬ、錆びない世界を私も大切にしていきたい。